演 目
アリアルナイジー
観劇日時/13.9.21. 19:00〜20:12
劇団名/演劇集合体マキニウム
作/マキニウム#14メンバー 
脚本・演出/槇文彦 
舞台監督部/廣井雅人・山下紗絢子
大道具/中森文哉・槇島雅子 小道具/千葉まりの・五島実季・齊藤文彦 
衣装/小野寺舞 制作/熊崎崇朗・小島梨紗子
音響/中井孝太郎 照明/三島祐樹 演出助手/中村康二・鈴木健太郎
劇場名/レッドベリースタジオ

人格の裏側にある、もう一つの別の人格

 独身寮に暮らす二組の男女……寮のホールに集まった未成熟らしい4人……何かぶつかり合う日常らしい……怒鳴りあう日々……ある日、中国を放浪中の同宿の先輩から1枚の旧いLPレコードが届く。何気なく掛けてみると不思議なメロディが流れると同時に天変地異が起きて、気がつくとこの建物が宙に浮き上がっている。
 するとそこへ見知らぬ4人の男女が現れる。先の男女と後から現れた男女は、お互いにお互いの存在を知覚出来ないないらしい。
次いで中国服の美女やパンダの縫いぐるみの美女も出現するのだが、これは何の象徴なのだろうか?
 この寮の住人と見知らぬ4人組との互いの応酬が火花を散らす。その間にも時に応じて建物は大きく揺れながら空中を高く登っていくようだ。
 この辺りのやり取りを聴いていると、何だかこの4人対4人はそれぞれの欠点をあげつらう関係のように感じられてきたのだ。
 つまりそうなのだ……この4人は、それぞれの4人の人間の意識や感情の裏側にある否定的な要素を炙り出す装置なのだった。ユニークな視点の舞台化だが、ちょっと固すぎた。それに怒鳴りっぱなしなのは観ている方が疲れる。
 このテーマをもっと柔軟にエンターテインメントの要素を強めて演じると、さらに魅力的な舞台になる可能性を秘めていると思われる。再演を期待したい。
 出演者、槇文彦・廣井雅人・小野寺舞・千葉まりの・熊ア崇朗・小島梨紗子・
五島実季・齊藤文彦・中森文哉・槇島雅子・山下紗絢子