演 目
ミドリイロ
観劇日時/13.9.15 14〜16:45
劇団名/遊罠坊
上演回数/第6回 クチナワ公演
脚本・演出/IJIN 音響/土橋あい 照明/山本ゆか
楽曲/キリサメ・山田海渡 雑務/猪俣五郎
劇場名/BLOCH

悲劇の縮図

 赤と緑の区別が付かない絵描きの女・トリ(=青野さゆみ)は、弟・カン(=浅葱康平)と妹・モモ(=後藤夏美)との三人暮らしである。
 両親は何時か何故かカンが殺したらしい。それが原因でトリは狂っているらしい。
 この家には何故かカンの親友・ヒビ(=市場ひびき)が毎日、この3姉弟の面倒をみに通っている。
ヒビと同居の女・ミズキ(=山木眞綾)は、ひたすらヒビを熱愛し、ヒビがカン姉弟の家庭へ通うのが妬ましい。ヒビがトリを大事にすることが、ヒビのトリへの愛であると感じたからかもしれない。
 ポイという男(=小石川慶祐)が3人姉弟を訪ねて来る。ポイもやはりトリの描く不思議な絵を通してトリに異常な関心を持ったらしい。ポイはその名の通り、他人どころか自分自身の名さえポイと忘れてしまう男だ。
 さらにクスノ(=NEGI)という男が現れるが、クスノは三人の父親の弟、つまり叔父を自称し、兄に頼まれて姉弟の面倒を見に来たと称する。だが彼は妻に追い出されたということがすぐに見破れられる。
 弾みで妹・モモは兄・カンに絞殺され、カンは飛び降り自殺、姉・トリも飛び降り自殺、ポイはトリを守ろうとして逆にやられてヒビに抹殺され、クスノは行方不明。
 一人残ったヒビはトリの残された絵を抱きしめているところへミズキが来て、ヒビはミズキの愛を受け入れ、絵を裏返してミズキの元へは帰る。
 「らしい」「らしい」と書いてきたが、全くよく分からないままに観ていた。そして何故そうなるのか不明のまま2人が殺され2人が自殺し一人が不明、2人だけが残る。 
 いったいこれは何なのか? 全く分からない……対人関係の嫉妬と誤解と狂気の果てに、無益の抹殺の果てない繰り返しの典型を描いてみたのだろうか?