演 目
バス停
観劇日時/13.7.30. 20:00〜20:58
劇団名/シアター・ラグ・203
作・演出/村松幹男 音楽/今井大蛇丸
音響オペレーター/久保田さゆり 照明オペレーター/瀬戸睦代
宣伝美術/久保田さゆり
出演/サラリーマン=田村一樹・男=平井伸之・女=萬年わこ
劇場名/ラグリグラ劇場

犯罪者の後悔意識と被害妄想

 千秋楽の今日は、演出が少し変わったようだ。それはサラリーマンが、この夫婦に阿って(おもねって)、その幼児、実は人形を抱いてあやしているところを男の足払いに掛って、夫婦が我が子だという人形を取り落として死なせるシーンがあるのだが、今日はその足払いがなかったのだ。
 この劇全体が、サラリーマンが顧客の若妻を嫉妬から殺害したという後悔の意識が潜在となって、被害妄想に憑りつかれるという枠の中のできごとであるならば、その足払いは重要なシーンであるはずだ。
 サラリーマン本人にとっても観客にとっても、足払いを掛けられたということは、被害妄想を拡大する大きな出来事だと思える。なぜカットしたのか疑問であった。
 「シアター・ラグ・203」としては、久しぶりに不条理で奇奇怪怪の芝居らしい芝居を魅せてくれた。最近大人しい舞台が続いたような気がしていたので、今回の長期公演は充分に堪能したのであった。