演 目
バス停
観劇日時/13.7.10. 20:00〜20:58
劇団名/シアター・ラグ・203
公演回数/ウエンズディシアターVol.7
作・演出/村松幹男 音楽/今井大蛇丸
音響オペレーター/久保田さゆり 照明オペレーター/瀬戸睦代
宣伝美術/久保田さゆり
劇場名/ラグリグラ劇場

恐怖の悪夢

 婦人用下着の訪問販売セールスマン(=田村一樹)が、気が付くと田舎のバス停に居た。夏の暑い日で蝉の鳴き声が強く響きわたっている。
 フトみるとバス停の真ん前の路上で職人風の男(=平井伸之)が車道に座り込んで学童用のような木製の椅子を造っている。
 バスの到着予想を聞いてもまともな返事が返らない。椅子造りに没頭しているようで、話が噛み合わない。そこへ男の妻らしき婦人(=萬年わこ)が出る。
 二人はマネキンの児童人形を我が子のように慈しむ。呆然と見つめるセールスマンだが、なぜかそのセールスマンは夫妻におもねってその子を抱いてみる。喜んで優しく渡されたそのマネキンの子供をあやして居るうちに、彼はうっかりと取り落とす。というか男の足払いに掛って前のめりに転んで子供を取り落とすのだ。
 二人は我が子を殺したと責め立ててセールスマンを椅子に縛り付けて折檻する。
 カンカンと照りつける真夏の陽光の下、渇に飢えたセールスマンは不条理な死ぬ苦しみに悶える。
 セールスマンはその子を殺したんではない。実は訪問先の若妻と不倫して殺し、その腕が自分の鞄に入っているはずだと告白する。
 気絶したセールスマンが気が付くと、相変わらずの真夏の陽光の下で3人は並んで椅子に座っていた……
 夫妻は一年前に亡くなった我が子のお墓参りに行く途中だ。混乱するセールスマンは意味不明のまま二人に別れを告げて逆の方向へ去る。
 彼の経験したこの時間は一体何だったのか? 夢なのか? 恐怖の悪夢なのか?