演 目
ネズミの涙
観劇日時/12.6.19. 13:30〜15:05
劇団名/オペラシアターこんにゃく座
上演形態/旭川市民劇場6月例会
台本・演出/鄭義信  作曲・音楽監督/萩京子
劇場名/旭川市公会堂


 テンジクネズミの父親マンガン(=富山直人)、母親スズ(=梅村博美)、兄息子チタン(=沢井栄次)、妹リン(=田中さとみ)の4人家族は「天竺一座」を名乗ってオンボロ・バスで戦地を巡回している。ブレヒトの『戦場の肝っ玉かあさん』に何となく似ているような気がする。
 大勢居た劇団員たちもみんな戦争に出陣させられて、今や老齢の両親と未成年の息子とその妹だけだ。
 ここはドブネズミ軍とクマネズミ軍の激戦地だ。天竺一座は交戦の骨休みの慰問に「西遊記」を演じる。チーズとお酒を賄賂に使い、兵隊たちも巻き込んで「西遊記」で遊ぶ。
 息子のチタンは義勇兵に憧れて家族の反対を振り切って投軍する。
 兵士のニッケル(=島田大翼)はリンに惚れて戦線を離脱し旅回りの一座に付いてくる。
 旅を続ける一座の束の間、ニッケルとリンは粗末ながら盛大な結婚式を挙げ、地元の人たちの祝福を受けるが、1年後に記念の花を取りに行った真夜中、奇襲にあってリンは死ぬ。
 残った3人にさらに2人の希望者が参加して一座の旅は続く。
 疑問は、これがなぜネズミの話なのか? 普通の人間の話で十分なのではないのか?
 〜ネズミの涙は米粒より小さい、けれど地球より重い〜というがこじつけ臭い。
 全体に悲壮感のオーバーな表現が臭くて気になる。これでもか、これでもか……と引く。でも一般の小母さんたちの多い客席は反応が強い。TVでは味わえない強烈な感情吐露なのか……