演 目
ピノチオのひげ
観劇日時/13.5.25. 19:00〜20:35
劇団名/札幌ハムプロジェクト 
上演形態/東京の人とまちめぐり2013 札幌プレ公演
脚本・演出/すがの公
今回の出演/天野ジロ・彦素由幸・木山正太・渡辺友加里
劇場名/いいかげん居酒屋SUWA!!

前へ進む力を感じさせる不思議な魅力

 タイトルの意味が判らず、具体的な物語の展開も良く分からない……だが人たちが何かに向かって前進しようとしているのではないのか? という力が感じられる。
 わずか9平方メートくらい、僕の感覚でいうと4畳半くらいの小さな空間で、4人の俳優が衣装や小道具をとっかえひっかえ目まぐるしく展開する。
 しかも全員が全編を通して舞台に出ずっぱりで、舞台を平気で横切って次々と照明のチイッチを点滅させる。小道具やちょっとした舞台装置に見立てた物体を出したり引っ込めたり、それも一種の演技みたいな感じで、不思議なことに、それらの動きが邪魔にならないところが、いつも思うのだが一種のハムプロ式表現法なのだろうか?
 だがこれもいつも思うのだが、この不可思議な物語を観客に納得させるような作劇術・演出術が必要なんじゃないんだろうか。物語至上主義者の僕としては、いつも隔靴掻痒の感じが強いのだが、それでもやっぱり観てしまう不思議な力を持っている魅力が面白い。もしかするとこの感覚は、あのテント劇団『どくんご』に近いのかも知れないのだとも思われる。
 僕には、以前に観た『サンタ・シリーズ』の、あの分かり易い哀歓の物語の期待を引きずっているのでないのか? とも考えているのだが……