演 目
ぼくはガリガリ
観劇日時/13.5.11. 15:00〜10:00
劇団名/人形劇団えりっこ
作・絵/伊東美貴 演出/竹田洋一 美術/工房太郎 音楽/谷津祐子 効果/西脇秀之
出演/坂下絵李古・竹田洋一
劇場名/深川市文化交流ホール み・らい ステージ・オン・ステージ

飄々として熱い独特の魅力的な世界

 自分が大嫌いなネズミのガリガリは旅に出て、いろいろな動物の仲間になろうとするのだが上手くいかない。とうとう青虫のムンムンに出会って自分は自分なんだと思い直すという素直で教訓的なお話。
 飄々として投げ出すような客観的な表現だが、逆に素朴な表現を追いかけるような熱いエネルギーも感じさせるという不思議な魅力がある。
 素朴とはいっても拙いわけでは決してない。むしろ職人的な卓抜した技巧を持ちながら、むしろそれを強く感じさせず、逆にあっさりと感じさせるような熟練した技術によって、それが素朴なのに熱く感じられる二面性を持つ卓越した表現方法として受け取られるのだ。
 人形という物質が、素晴らしい技術を伴って鮮やかに人間の世界を象徴的に表したと言えるのだろう。
 大きなステージの上に舞台と客席を一緒に造って、いわゆるステージ・オン・ステージの方法で、親近感を強めたのも評価できる姿勢である。