演 目
彼女のスープレックス
観劇日時/13.3.17. 16:00〜17:20
劇団名/アトリエ
上演形態/シアターラボ札幌プレ公演
昨・演出//小佐部明広 スタッフは同じ
ドラマドクター/泊篤志
劇場名/札幌教育文化会館小ホール

様々な人間の在り様とその関係

 鬼である人種は頭に角(つの)を生やしている。これがごく自然でいかにもという感じがする。ここは暴力的な貸金業の会社で社長(=ビルタテル)は小柄で一見紳士だが、いったん激怒すると怖い。性同一性患者の息子(=小山佳祐)はドラ息子で会社に入り浸ってやりたい放題、父の社長も甘やかしている。大人しい社員の二人(=有田哲・伊達昌俊)は仕事熱心であり、もう一人の社員はやくざッポイ切れ者(=櫻井保英)という陣容だ。
 有田は好意を抱いた普通の人間の女(=柴田知佳)に裏切られるが、個人の好意で貸した普通の人間の女(=斉藤詩帆)が実は高利貸しに陥れられて自殺寸前なのを肩代わりしようとする。それを知った櫻井は跳ね退ける。伊達も角(つの)を取る。鬼の人種にも色々あり、普通の人間も色々だ。
 この鬼たちの会話で、自分たちの領土を武力で占拠した桃太郎の末裔たる普通の人間たちは許せないという論理が、現在の領土問題を直接的に言っているのが単純すぎる。
 タイトルの「スープレックス」の意味が判らないので調べたら「supex 相手を背後から腰のあたりでかかえて後ろにさがる技(格闘技)」(リーダーズ英和辞典=研究社)とあった。