演 目
ありがとう神様、とりあえず生きてる
観劇日時/13.3.16. 17:00〜19:10
劇団名/ハムプロジェクト
上演形態/劇団全体興業
作・演出/すがの公
劇場名/コンカリーニョ

世界の縮図

 格安航空機が南海の孤島に不時着した(らしい)。以後この(らしい)が頻発する。具体的な説明がないから、何となく推測するのだが、後になってそうだったのか…… と分かるような作り方になっているのだ。
 乗り合わせた乗客は日本人が約半数で、韓国人・中国人・東南アジア人・中東人などなど国際色が豊かであるが、逆にそれぞれが自分たちの独特の考え方を主張して生き残るためのデスカッションを激論する。
 それらの展開が30人という多数の出演者によって統一のとれたダンス風の演出でダイナミックに描かれる。意見は食い違っても生きようとする逞しい実行力は同じだということなのか。
 世界のあらゆる地域の具体的な意志の対立の表現は、余りにも直裁過ぎていささかたじろぐのだが、逆に素直に描かれているのかとそれなりに納得する。
開演前と途中休憩時間には、舞台の前面に一瞬にして屋台を設え飲食物を販売し、まさにお祭り騒ぎだった。そして、それもこの舞台の展開と意図的な心情の関連があるのかもしれない……