演 目
モデルルーム
観劇日時/12.11.25 19:00〜20:30
劇団名/遊罠坊
公演名/ロジカル公演
脚本・演出/IJIN
照明/前田ゆりか 楽曲提供/山田海渡・川内陸
フライヤデザイン/澤崎優太郎 音響/土橋あい
劇場名/BLOCH

意味不明のリアリティ

 話の各シーン・シーンは具体的なのに、その物語の繋がりがとても分かりにくい。
 男が路頭で物を売っている。貧乏だから手持ちの物を適当に売っているらしい。一人の男が古風で大きな書籍を買う。
 次のシーンでは買った男が同棲している女と洗濯物を巡らして、しばらくすると同じような諍いを繰り返す。
 なぜか彼は何処からか「モデルルーム」として優勝の報を受け、トロフィーを受ける。
 その「モデルルーム」の優勝を巡ってそれを狙っている男が暗躍したり、本を売った男が金を工面して買い戻しに来たり、正体不明の電話が来るのを、電源の電線を切って拒否したり、そういう小さなエピソードが連続して描かれる。
 それは具体的なシーンの積み重ねであり、よく言えば抽象的・象徴的とも言えるが、現実には何を象徴しているのか分かりにくい。とにかくとっちらかって観客の想像を巡って微笑ましい口げんかをするのだが、すぐ仲直りに進んでいく。
 それぞれのシーンがリアルであり現実的であり、演技が自然だから、ついつい見とれるのだが実際にはあっけに取られるばかりで1時間半が過ぎる。
 ラストはまた架かってくる電話に夕食の食材の入ったポリ袋を乗せたところへ、何かを掲げた男が背景を割って出現する。その掲げたある物とは何なのだろうか? トロフィーのようにも見えたのだが?……分からない。
出演。NEGI・後藤夏実・猪股五郎・浅葱康平・市場ひびき・石井大士・笹舘高志・青野さゆみ