演 目
サンタどん
観劇日時/12.11.12. 19:00〜20:15
劇団名/ハムプロジェクト
上演形態/全国まちめぐり公演
脚本・演出/すがの公
劇場名/深川市 シャイライサイ工房
出演=後藤克樹・木山正太・大澤恵衣・小川しおり・渡辺友加里

童話的・象徴的な表現の物語

 小学生の女の子・ノエルは、百円均一店で買ったクワズイモを緑のモンスターに育て上げ魔女になる妄想を持つ。ノエルの兄は駐在であり、その駐在の警官である兄に思いを寄せるのはノエルの担任の先生・アンドロイド子。ある日「大泥棒サンタどん」の紙芝居を持った旅芸人の姉弟がやってくる。ノエルはその弟のガジュマルと仲良くなるが、その町に泥棒事件が起こり、よそ者であるその姉弟が真っ先に疑われる。
以上のように宣伝チラシ(要約)には書いてある。
普通の住宅の天井の低い和室を改造した極小劇場に組み立てられた舞台装置は、60センチ×180センチくらいのパネルを何枚か組み合わせて、それに照明をうまく使って、間口も広く奥行きも深く、街中の雰囲気を感じさせて、さすが「すわ」の狭い空間を使いなれた技だと感心する。
だが、芝居の展開は、チラシに書かれているような内容はなかなかしっくりとは来ない。正直何が何だか分からず、あれよあれよと言ううちに終わってしまった気がする。
その理由は何だろうかと考え込む……「ハムプロ」の芝居は往々にして、このような極端に言えば自己満足風な舞台が多いのだ。
非現実的で荒唐無稽な、良く言えば幻想の世界が、創造者の思い通りに上手く表現し切れていないのでは、あるいは観る者の想像力が上手く追いつかない所為なのかも知れないとも思う……
一方先日に観た、『パレパーレ星の新しい生き物』のように分かり易いレパートリィも沢山あって、その中では一連の「サンタ・シリーズ」が直截的で面白かった記憶が強いのだが……、父と娘、あるいは兄と妹、そして祖父と孫娘など、まるで寅さんとさくらみたいな関係が面白かった記憶がある。