演 目
大どろぼうホッツェンプロッツ
観劇日時/12.11.11. 11:00〜12.20(途中休憩10分)
劇団名/チーム・パース
原作/オトフリート・プロイスラー
脚本/若月健 潤色/こいけあい 演出/竹田洋一
美術/沢則行 美術補佐/中川有子 音楽/八木幸三
人形操作・振付/坂下絵李子 衣装・製作/安尻美代子・亀梨久子 照明/伊藤勝敏 
音響効果/西脇秀之 音響オペ/吉田千恵 
美術製作/川島直子・高田洋子 チーム・パース
劇場名/やまびこ座

エネルギー溢れるエンターティンメント

 時代とか地域とかには余り関係はないであろう。大泥棒が世間を悩ましているといっても至極、牧歌的な雰囲気だ。
 二人の少年・カスパールとゼッペル(=こいけあい・寺尾明希子)が、せっかくおばあさん(=遠藤緑)にプレゼントしたコーヒーメーカーをホッツェンプロッツ(=寺尾邦宏)に盗まれたために、それを取り返そうとする一大騒動記である。
 案の定、魔女(=河合喜美子)と泥棒は滅び、コーヒーメーカーは無事に取り返し一件落着なのだが、最近このような単純な勧善懲悪の冒険譚が珍しいので面白く堪能した。
 まず思ったのは、失礼ながらかなり高齢と思われる人形を遣う淑女諸女史たちのエネルギッシュな演技だ。特に冒頭の一糸乱れぬ集団ダンスには驚嘆した。
 全編このエネルギーで押し切る。しかもそれが息切れしないのが凄まじく圧倒される。
 次に人形遣いは全員がフード付きの長いコートの様な物を羽織っているのだが、それがそのシーンによってさまざまなデザインの物に取り替えられるのだ。そのきらびやかな変化が一種の舞台装置としても楽しめる。
 物語自体はありきたりだが、それをエンターテインメントとして表現した力技に驚嘆する。
 人形劇も日進月歩だなあ、っていうのが実感だった。それと今日のメインの観客である子どもたちの人気は抜群で、終演後のロビーでの人形たちとの交換会は尽きる時間がないように思われた。大きな存在価値であろう。
 その他の出演者。警官(=相原幸子)。すず蛙に変身させられていたアマリリス(=池内由美子)。おばさんとねこ(=土門千恵子)。