演 目
非実在少女のるてちゃん
観劇日時/12.9.17. 13:00〜15:00
劇団名/笑いの内閣
作・演出/高間響 
エクゼクテイブアドバイザー&舞台監督/唐仁原俊博
助演出/由良真介 照明/山本恭平 音響/神田川雙陽
衣裳/藤井麻理 小道具/つじ ちらしイラスト/神奈江淳
その他大勢
劇場名/シアターZOO
アフタートーク・ゲスト/北大教授・政治学=山口二郎

過激で直裁的で風刺マンガのような舞台

 アニメの登場人物「のるてちゃん」に憧れる高校のマンガ研究会のメンバーたちは、青少年健全育成条例という新しい条例が、表現の自由を制限するという危機感から反対運動を展開する経緯を、具体的に体制を揶揄・弾劾するという方法で展開する。
 バックスクーリンに個々の語句や一般的な箴言・格言などなどを示しながら、その非文化性を、体制側と鋭く渡り合いながら次々と痛烈に過激に否定する過程を、だがマンガチックに展開してゆく。
 このように具体的に否定弾劾するのは、演劇の表現としてどうかと思うのだが、ここまで具体的にやられると、逆に痛快な気分が大きい。
 アフタートークで僕の質問に答えて高間氏は「具体性を意識したわけではなく、笑いを創ろうとしたら必然的にこういう形になった」とのことだが、それは逆に、政治や体制が崩壊しているからなのじゃないのだろうか?
 最近、こういう表現の演劇が多いような気がするのは健全だとばかり言っていられないような気もするが、やはりそういう表現が出来るのは、ある意味で健全なのかもしれないし、それも演劇表現の一つの形かもしれないとも思われる。
この舞台は単に表現の自由の侵害を訴えているだけでもないような気もする。何時までも大人に成れない世界の政治家たちに対する大いなる警告でもある。
出演者は19名、その他に札幌在住の俳優の特別出演者3名という大所帯なので個々の俳優名は割愛する。