演 目 輪 舞 観劇日時/12.6.30. 14:00〜15:45 上演形態/新進演劇人育成公演 原作/アルトゥル・シュニッツラー 脚色・演出/橋口幸絵 照明/秋野良太 美術プラン/高村由紀子 音響オペレーター/佐藤健一 舞台監督/尾崎要 衣装/松下奈未 宣伝美術/若林瑞沙 写真撮影/原田直樹 ディレクター/斎藤歩 プロデューサー/平田修二 制作/公益社団法人 日本劇団協議会 劇場名/シアターZOO |
形象化された生命の感じられない営み 4組の男女が、次々に相手を取り換えながら輪舞のように物語が進む。 まず娼婦(=伊佐治友美子)とヤクザ(=赤沼政文)。そのヤクザと女子高校生(=斎藤由衣)。女高生と妻ある男(=鎌内聡)。その男と自分の妻(=村上水緒)。その妻と劇作家(=納谷真大)。劇作家と女優(=宮田圭子)。女優と国会議員(=小林エレキ)。そして国会議員と娼婦とでカップル作りは一周して元に戻る。 いま、こうやって思い出しながら組み合わせを書き出しているのだが、何度書き直しても誰と誰とがカップルになったのだったかハッキリと思い出せない。もっと違った組み合わせだったかもしれないとも思うのだが…… つまりそれくらいその組合せは個性が無く、単に男女の様々な関係性を描いているのだが、誰にでも何時でも起こり得る頼りのない自己中心の無個性な関係なのだと思える。 まるで絵解きのような展開だが、形象化され説明化されて具体的な生命のエネルギーが感じられない。 そしてそれは最近の演劇に良くあるセックス・シーンにも強くにじみ出る。それは二人の絡みを、添い寝した二人が一緒に腕を差し上げてその腕を様々な形に絡みあわせて奇声を挙げ、その2本の蠢く腕が影絵となって壁に映し出される。 全部がそのバリエーションで、まるで童話的で面白そうだが何かバカにされているような感じもする。 もっと粘っこい切ない関係性を期待したのだが人造的でマンガっぽい表現にいささか期待外れであった。 |