演 目
天国への会談
観劇日時/12.6.9. 18:00〜20:00
劇団名/イレブン☆ナイン
上演形態/教文演劇フェスティバル短編演劇祭優勝記念公演
作・演出/納谷真大 美術・舞台監督/上田知
照明/上村範康 音響/奥山奈々 宣伝美術/小島達子
制作/神馬千代子・生水絵理
企画・制作/イレブン☆ナイン
劇場名/札幌市教育文化会館 小ホール

友情物語のエンターテインメント

 子どもの頃からの5人の仲間たち(=納谷真大・杉野圭吾・江田由紀浩・明逸人・山下智博)は、地域の野球チームに属している。今日も78連敗の反省会が馴染みの喫茶店「楽園」で開かれるのだが、自己主張が強く責任の擦り合いが続く。
 「楽園」の店主のママ(=小島達子)が不足していた食材を買いに出たところでガス爆発が起こり、全員が死ぬ。
天国と地獄への振り分け口で世話をしていたのがママにそっくりな老婦人だった。獄吏(=川井J@ウ輔)のミスで書類を失くし、4人は極楽行きでたった一人だけは地獄行きだという記憶から、その一人を何とか割り出そうとする。
 その過程の5人の、個性豊かな友情と自己保身と、ついには自己犠牲に変転するまでの、滑稽で愛らしい様相が転々と縺れつつ切なく描かれるエンターテインメント性の強い物語。
結局5人全員は、過去にママを過失事故死させた責任による地獄行きだったのだが全員、納得で静かに地獄へと向かう。
 ママに似た世話役の老婦人は、実はその不慮の事故で死んだママの母だった。5人の子どもたちを愛していたことを思い出したママの母は、5人を憐み、その友情と自己犠牲の心情に感じ入り、自分の身分を投げ打って格下げを承知で、ガス爆発の直前までタイムスリップさせて爆発を未然に防ぐ。
 元に戻った5人は何も知らずに相変わらず小競り合いをしながら厚い友情を保ち続ける。ちょっとご都合 主義だが暖かく楽しめるハッピーエンドのエンターテインメントである。
 その他の出演者、死者たち・獄吏の助手たち。
大川敬介・上總真奈・小林泉・石川藍・児玉由貴・
塚本智沙・澤田未来・脇田唯。