演 目
幸せはいつも小さく
 東京はそれよりも大きい

観劇日時/12.6.8. 19:30〜21:45
劇団名/あまやどり(東京)
上演形態/【Re:Z】参加公演
作・演出/広田淳一 音響/角張正雄 音響操作/一色洋平 
照明/三浦あさ子 宣伝美術/山代政一 衣装/矢野裕子
Wev/堀田弘明 演出助手/しもとりゅう 
制作/坂本もも・伊藤彩・木村若菜・青柳偉知子
劇場名/シアターZOO

幻想の悪夢

 男・小田ユキヒト(=松下仁)と星野カズユキ(=広田淳一)、それに女・仁村ヒトミ(=小角まや)の3人が、古い民家にルームシエァで暮らしている。そこへ別の少女のような女・三谷クミコ(=笠谷里美)が監禁を逃れて来たということで着の身着のままで転がり込む。小田はクミコを無条件で愛して警察からも匿う。彼女の電話に、前の男(=糸山和則)かららしい電話がひっきりなしに入る。星野とヒトミの忠告も聞き入れず仕事も投げだし、ひたすら彼女を守るという気持ちで、しかもクミコも彼に保護を申し出る。
星野とヒトミの二人との対立で逆に小田はいつの間にか監禁者の立場になり、やがてクミコはフラっと居なくなる。 
 小田はクミコが持っていった自分の電話に、以前の男がしたように執拗に電話をするがクミコは一切出ない。
 小田の行為が全く以前の男と同じように繰り返されるのだ。小田は自分で自分を監禁している心境だと思う。つまり監禁とは何のメタファーなのか? 国家を初めあらゆる集団、そして自分自身までが監禁する加害者なのかもしれない。
場面場面は現実感の強い展開なのだが、節目節目にダンスというか鋭い群舞が繰り広げられる。これは、このシーンは現実であると同時に悪夢の幻想であることを象徴的に示唆し、その演劇的表現であることも強く感じさせられる。
 他にヒトミの友人で星野の憧れ=榊菜津美
星野の先輩=稲垣干城 その妻=田中美甫
学生時代の友人=中村早香