演 目
喫茶コネクション
観劇日時/12.6.8. 15:00〜17:00
劇団名/劇団しろちゃん
上演形態/s1シアターin北大祭14
脚本・演出/須藤健太
スタッフ/演出以外に54人
キャスト/主要人物12人・記載なしが4・5人
上演場所/北大教養棟隣接S1教室

洒落ようとした風俗喜劇

 喫茶店を舞台にした3つの物語のオムニバス。タイトル通り、喫茶店が中心になってはいるが、物語の進展は必ずしも喫茶店だけで起きるとは限らない。個人の部屋であったり、事務所だったりする。
 物語はすべて恋愛関係であり、食い違ったり誤解したりして思うように進まなかったり、思いがけず別の方向へ展開したり、ある種の風俗喜劇だろう。
 言葉遊びがハイブラウ風の自己満足気味であり、下品にならず軽快に進むのは良いのだが、それだけのものに終わっているような気もする。
 『ちぐはぐ』『徒労』『ランプの魔人』という、3つの物語も、そのタイトルを読めば何となくその内容が推察されるような恋愛のちぐはぐが想像される。
その3つの物語を繋ぐ喫茶店の場面も、大勢のスタッフや前後の景の出演者たちが絡んで、解説風のやり取りが劇の中の一景のように演じられる、洒落た作りなのだが、それが却って煩わしい。
 全体に垢抜けした風俗喜劇を創ろうとして自己満足になってしまったようだ。センスは良いのでもっと違った方向を探る事が望まれる。
 学生演劇は、その年に関わる学生たちのセンスによって様々な表現を見せる。いわゆる積み重ねによる成果の現れる効果の期待が少なく、極端な変化がみられることも多い。
もちろん積み重ねが全てではなく、今年はどんな新しい力によって、どんな舞台が出来ているのかという期待も大事なのだが、一方で積み重ねによる厚さも期待したいところでもあるのだ。