演 目
色褪せた生生、生 、、、
観劇日時/12.03.17. 19:00〜20:30
劇団名/アトリエ
公演回数/第4回「プロブレム」作品2
作・演出/小佐部明広 
舞台監督/渡辺康平 副舞台監督/坂内泰輔 大道具/田村貴大・亀岡優人 衣装/柴田知佳
小道具/本田宗一郎・小山佳祐・有田哲 音響/天谷祐介 照明/和田研一 宣伝美術/宮本柚貴・谷内望実
制作/野華奈江・桑谷麻理菜
劇場名/BLOCH


 この公演は「プロブレム」と題した短編オニムバス3作品の上演、従って各作品の上演時間は推定です。
3作品に共通するイメージは、タイトルに込められた思いを洞察してみることだろうか。そもそも総合タイトルの「プロブレム」も、単純率直に何らかの問題提起というイメージが強いが、「色褪せた生生、生 、、、」というタイトルには退廃的・虚無的なイメージがある。


東京パラレルワールド 上演時間約20分

 パラレルワールドということは、この話題が東京だけでなく北海道でも外国でもあらゆる場所の普遍的な問題を意識しているのだと思われる。
 暮らし難い東京の人たち、サラリーマンと同僚、先輩と後輩、そしてOLとその父親……そういう関係にある人たちの軋轢が描かれるのだが、それが一種のリーデイングの方法なのだ。
 登場人物の人数やシーンの変化などでやむを得ないのかも知れないが、これでは演劇の表現を逃げているとしか思えない。最近「アトリエ」の舞台にこういう表現が多いのだが、少し考えさせられる。
出演=有田哲・小池瑠莉・柴田知佳・伊達昌俊・小山佳祐。


■ラベリング 上演時間約50分

 暇を持て余しているコンビニの若い男女のアルバイト店員(=小山佳祐・木村歩未)。妄想が膨らんだときに都合よく強盗(=伊達昌俊)が入る。バイト男は早速弱気な強盗を使って暇つぶしを始める。
 だがことはエスカレートして、ますますテンションがあがり、ついにバイトのテンション男が誤殺されたり、女のバイトも自己確立のために弱気強盗に協力する羽目になる。
 ラベリングとは自分の立ち位置を規定することだろう。この登場人物たちは自分の立ち位置を必死に決めようとして足掻いている大袈裟な表現の喜劇だ。
 刑事=信山E紘希 部下=有田哲 報道者=桑谷麻理菜  女の父=北笑左衛門 母=小池瑠莉


■コロンブスより長い旅 上演時間約20分

 コロンブスが新大陸を発見するまでには、現在の想像を絶する長い旅があったのだろう。
 現代では物理的より心理的に、それより長い永久に終わらない長い旅がある筈だ。
 未成年の麻薬患者に娘を突然死させられた母親(=長岡登美子)、心神喪失状態でその幼子を死に至らしめて、今日保釈された22歳の女(=柴田知佳)。
 二人のどうしようもない巡り会い、ともに辛い長いこれからの人生が再び始まる。
 これはほとんど母親の一人芝居だ。もっと犯人の若い娘の出番を見せて欲しかった。