番外随想 縦の感動・横の感動 その2



■岩本和久 道新「魚眼図」存在の肖像 12年3月15日
……静物のみを撮影した写真で、陰影豊かなその姿にはありふれた事物の奥に何かを見ようとする、作り手の確かな意思を見る……「風景と静物と人物に同じ意味があるのでは」「一粒の砂の中に世界を見る」矢吹尚也・写真展より。

■大野日出明 北海道現代具象展・小品展  12年3月22日 道新
単に目の前の対象物を描く写生とは異なる構想の奥深さ……人物や静物、風景は道標のようなもので、その先に何を見るかが重要だ。

■黒澤明の遺言 都筑政昭 著 横尾忠則 評 12年4月15日 朝日新聞
核になる思想は「どうして人間は単純に清浄に人を愛してゆけないのか」、その表現は「徹底的に楽しさだけを追求」。
……何かに命令されてやっている『天の声』を感得し、人間社会を天の視点から俯瞰して人間の業の悲劇性を描く。……
……目をそむけないで神の眼で対象に迫る冷静さ……