番外随想 縦の感動・横の感動



 「縦の感動」とは「テーマ」であり「メッセージ」であり、「横の感動」とは「表現技術」や「エンターテインメント」であると僕は規定している。

 番外随想 縦の感動・横の感動 その1 
立川談志 談志の落語U P127 静山社文庫
 本当に上手きゃァ、どんな話でも良いのかネ。いや、そうではあるまい。どう上手くったって、内容が気に入らなきゃァ駄目なはず。ある程度の痘痕もえくぼ≠ヘあるだろうが、基本的には駄目であろう。また、そんなセコイ内容を演った時に、その演者に魅力はなくなる。
荒木元 道内文学 道新 年月日不明

☆ 鈴木正樹『トーチカで歌う』について。
 「抒情とは淡く、甘い感傷などではない。血液や精液や排泄物のような臭いに充ちている。」だからといって、単純にそれがリアルな生活詩を意味するものでない―詩が単なることば遊びではなく、もっと私たちの「真実」に迫るようなものであるべきだ。―技術が先行し、書かなければならないものが何もないという驚くべき詩も多くある。―

☆ 山本太郎『詩をつくること』より。
 「生理を酔わせはしたけれど、心まで奪いはしなかった」「その時そのまま生理的共鳴になだれこんでいたら(略)「何を書くか」という最も重要な問題にぶつかる前に「いかに書くか」に腐心する技術屋になりさがっていた」