演目 クリスマスキャロル
観劇日時/11.12.22. 19:00〜20:40
滝川市・たきかわホール
観劇日時/11.12.24. 7:00〜18:40
札幌市・サンピアザ劇場
原作/Cディケンズ 翻訳/森田草平 演出/清水友陽
照明/清水洋和 舞台監督/尾崎要 美術/中川有子
振付/佐々木絵美 舞台スタッフ/TPS劇団員
協力/高石有紀 宣伝美術/若林瑞沙
制作/阿部雅子・横山勝俊 
ディレクター/斎藤歩 プロデューサー/平田修二
企画・製作/北海道演劇財団


 昨年の「札幌劇場祭」大賞受賞作品である。再演を観て一番感銘したのは
劇中で歌う病児・チビのテム(=宮田圭子)の讃美歌であった。
   久しく待ちにし
   主よ とく来たりて 
   おぐらきこの世を
   照り渡し給え
   主よ 主よ み民を救わせ給えや
 とアカペラで歌い切る。宮田圭子は歌手でもあり、本当は上手く歌えるは
ずだ。それがわざとなのか、演技なのか稚拙で、純粋に歌うこの歌唱に痺れ
たのだった。
 舞台は初演のZOOに比べて大分広くなったせいか、いささか散漫に感じ
られたが、致命的なものではない。初演でのあの圧倒的な迫力が、再演では
観る方に予備知識があるから迫力が減殺されたのかも知れない。
 ところで、あるTVで、ある芸人AとBとが毒舌で対談する番組がある。
あるとき映画について話していた時、Aが、「ハッピーエンドに充実感があ
ってこの映画を観て良かったと思う。映画はハッピーエンドである」と発言
した。
 それに対してBは、「観終わって考えさせられる映画こそ観た充実感を感
じる」と言って真っ向対立した。
 これは実は「劇団イレブン☆ナイン」が今年の11月に上演した『プラゼボ・
アレルギー』のアフタートークでも話題になった論点だ。僕はこの『クリス
マスキャロル』でも言えると思い、圧倒的に全面的にBを支持する者なのだ。