演目 狼王ロボ
観劇日時/11.11.21. 19:00〜20:30
劇団名/劇団千年王國
公演形態/サンピアザ・プレミアムステージ
原作/アーネスト・T・シートン
脚本・演出/橋口幸絵 作曲/福井岳郎・さとうしほ
演奏/福井岳郎・有本紀・小山内嵩貴 舞台監督/佐々木祐也
舞台美術/高村由紀子 舞台照明/秋野良太 音響/大江芳樹 
衣装/松下奈未 衣装進行/徳村あきら
演出部/石橋玲 振付/井川真裕美
イラスト/森迫暁夫 宣伝美術/柴田佳苗 
小道具協力/JAMANI 衣装協力/菊地大樹
企画・制作/劇団千年王國
劇場名/札幌・厚別区 サンピアザ劇場


大自然と人間の文明
 前世紀の終わりころ、アメリカ西部の開拓地では、ロボ王と呼ばれる狼(=
鈴木明倫)が2匹のオオカミ(イエロー=櫻井ひろ・ジャイアント=高久絢
斗)と妻のブランカ(=堤沙織)を従えて牧場荒らしをしていた。
 どんな駆除にもめげないロボに困った牧場主(=村上水緒)と妻(=榮田
佳子)は、そのころ狼の生態に詳しい知識を持っていた博物学者のシートン
(=赤沼政文)にこの狼の群れ退治依頼する。
 シートンの指導のもと、彼らは様々な方法を用いて狼の群れを退治しよう
とするが、ロボは悪魔的な頭脳と強い行動力をもって絶対に捕まらず、牧場
荒らしを続ける。
 あるときシートンは、ロボの指示に従わない小さな足跡を見つけ、それが
ロボの妻のブランカであることを推察、ブランカを捕獲し、その復讐に来た
乱心のロボを退治する。
 シートンは、この二匹の究極の愛情を感じて、自分の行ったことの是非に
疑問を感じる。
 動物も大自然もあるがままの姿が本来の姿であって、人間の都合で、その
存在を左右することが許されるのだろうかという根源的な疑問である。
 狼を演じる四人のダンサーと、村人たちや様々な動物たちを目まぐるしく
演じ分ける3人の演技者たち(=村上水緒・榮田佳子・赤沼政文)、そして
3人のミユージシャンたちの奏でる澄んだ音楽で展開する一大絵巻。
 狼たちは遠く近く吠える声以外は一切声を出さず、激しくアクロバットな
ダンスで野獣の存在を魅せる。
 規模はおそらく百分の一くらいの小ささだが、内容も表現力も共に、かの
『ライオンキング』を凌駕するほどの刺激的・魅力的な舞台である。