演目 羽化
観劇日時/11.11.6. 19:00〜20:10
劇団名/遊罠坊
作・演出/IJIN
照明/前田ゆかり 楽曲提供/杉本健人
フライヤー撮影/桑田ひかり 
フライヤー・チケットデザイン/宮本哲平
スタッフ/青野さゆみ・岡崎千歳
劇場名/BLOCH


面白さの期待に限界が残念
 最愛の妻を殺害した男(=浅葱康平)は、逃亡して時効の後、事件の現場
は証拠保存のまま無人で荒れ果てたボロ屋になっていて、男は帰ってきて間
もなく自死した。
 そこから話は始まる。殺害の理由は不明のままだ。警察は法律により民間
の調査員による再検証をする。だがそれはあくまでも行政による建前の儀式
にしか過ぎない。
 だがその謎の検証に猛然と意欲を持った調査員のフリーター(=浅葱康平)
は、とかくサボろうとする立会警察官(=猪股五郎)の目を盗んで、同じい
い加減なおじさん(=がくと)を引き込んで、殺人犯の夫の真実に迫る。
 過去の事件と、いま検証する民間の調査員とがWイメージで入れ替わりに
表現されていく。この辺りからミステリィー調の展開に期待が高まる。
 民間調査員たちのコミカルなテンポのよさと、調査員の心情が夫の心情と
交錯するという展開が無理なくうまくフイットしていて快調だ。
 特に民間調査員の相棒を演じる、がくと がコメディ・リリーフとしての独
特の演技が巧くて何かありそうな面白さを堪能出来る。
 だが夫の妻殺害理由が病苦による自殺補助という結末は底が浅くてちょっ
と期待外れなのと、内容に比較して上演時間が長すぎたのが考えどころだ。
もっとたっぷりと楽しめる期待に反した。
 だが新しい集団としては思ったよりも豊かな表現力に期待が持てた。