演目 ボーイズ=男の子=
観劇日時/11.11.3. 15:00〜16:50
劇団名/おかめの三角フラスコ
公演回数/第三実験
作・演出/こけし 
スタッフ/松久有希・東沙織・工藤祥恵・宮下芳子・森本早貴・阿部弥生・
佐藤亜維・五十嵐輝信・五十川由華・米坂佑介・奥山京・小石川慶祐
(担当は記載なし)
音楽/玉田政志 宣伝美術/金子ゆり
劇場名/BLOCH


淡々と若い男女の交錯を描くのだが……
 優しい草食系男子のヒロキ(=濱田輝樹)は、職場の先輩女性ユウコ(=
原彩弓)に甘えて何でも相談し、恋人(登場せず)へのプレゼントまで一緒
に買いに行くほどだ。
 酔ったユウコは、逆にヒロキを自分のベッドに連れ込む。ヒロキはそんな
ユウコに惹かれていく。
 新入社員のアヤ(=斎藤亜耶)は、ヒロキを好きになり、ヒロキの恋人や
ユウコの存在を知りながらユウコに相談し、ユウコはその仲を取り持つ。
 ユウコの友人・コヅカ(=中ノ里香)は劇団の主宰者であり、ユウコはそ
の制作者である。新入の劇団員・テラダ(=谷村卓朗)はユウコに一目惚れ
し、ユウコの隣室へ移転してストーカーのように見張る。
 情にほだされたユウコはテラダとベッドを共にする。ヒロキとの仲の無理
を悟ったアヤはヒロキから去り、ヒロキはユウコとよりを戻すのだが、二人
で見ているTVは、何かの試合で優勝するアヤを報じていた。
 次の瞬間、ユウコは見知らぬ男とベッドを一緒にしていたのだ。
 こういう話を、映画のようにシーンを激しく転換して、その割には遅いテ
ンポと間合いの長い展開で、いささか退屈する。
 男と女の一種の業のような在り方を提示するのだが、悲哀でもなく、やり
切れなさでもなく、虚しさでさえなく、といって滑稽さでもない。
 単に一種の若者風俗の描写でしかなく、虚しさだけが残る。ラストの関係
のない男は一瞬なので誰だか分からない。カーテンコールで裸の男が出るの
で初めて関係のない別の男だと分かるのだ。もっとはっきりと分かるとユウ
コの悲哀と滑稽さが浮き彫りになるのかもしれない。