演目 本日のお日柄は
観劇日時/11.10.15. 19:00〜20:40
劇団名/レトロノート
戯曲/小林佐千絵 演出/中村公平 舞台監督/金安凌平
舞台美術/小林奈月 照明/小見順治 音響/鎌田釜
音楽/岩崎健一郎 衣装/marie 
演出助手/平井由紀+早坂朋笑
制作/遠藤童子 制作補/斎藤政希 
企画・製作/劇団レトロノート
劇場名/東京・中野 ザ・ポケット

家族の秘密を巡るシチュエーション・コメディ
 両親の居ない大家族の次男のツグオ(=冠仁)があこがれの恋人・キョウ
コ(=棚橋幸代)とやっと婚約が出来た。彼女が初めて家族に会うために兄
(=中村公平)と訪れる夜のこと。
 10年前に家出をして消息の分からない長男・ナガオ(=右近良之)が突然、
帰ってくる。
 3人の弟たちは、工員の3男(=前澤航也)の他は大風呂敷のフリータ
(=渡部将之)と売れない小説家(=碓井将仁)であり、ツグオは兄弟のこ
とを隠していた。ただ末妹のヒカリ(=生井歩)だけはパティシエールを修
業中ながら健気に明るくツグオを応援している。
 恋人のキョウコは指揮者の父とバイオリニストの母が演奏旅行でいつも留
守だということで兄がいつも付き添っている。
 と、いう設定でお定まりのシチュエーション・コメディが展開されるのだ
が、設定が大袈裟でわざとらしい感じがするのと、登場人物の性格が一貫し
ないので、ときどきオヤッと思ってしまうのだ。
 などという不自然さが感じられるのと、キョウコの家庭の設定がウソだろ
うと初めから感じられ、実際にはサラリーマンと専業主婦だったというオチ
が最初から推測されてしまうのが欠陥だ。
 面白かったのは、3男の妻(=オカドミキ)とツグオの恋人であるキヨウ
コが、その昔の暴走族のリーダー同士で、他人には分からない一触即発の騒
動が起きそうになるのと、兄と称していたのが実はキョウコの年齢詐称のた
めに弟を兄に仕立てていたことがバレルことだ。
 いろいろと欠点が散見されるけれども、エネルギッシュな家庭劇としてハ
ッピーエンドの軽喜劇としては面白いといっていいであろう。僕も楽しんだ。
 その他の出演者 ナガオの恋人=横関咲笑。豆腐屋の若旦那=野村修一。
                和菓子屋の一人娘=富田裕美子。
                 和菓子屋の見習い=福田修司。