番外随想 札幌教育文化会館 短編演劇祭

 本稿16番以下に書いている「札幌教育文化会館 短編演劇祭」は、演目2から
始まっている。
 実は演目1は、僕が関わっている『ブラゾン、ダラゾン。』なのだ。僕の企
画で、脚本・佐々木和美、演出・桜庭忠雄、舞台監督・山上佳代子、制作・万
代いづみ、そして出演は桜庭忠雄と清水真由美という陣容で、アンドロイドの
進化実験という文明の最先端を行く実験の物語を演じた。
 簡単に思う通りには行かないチグハグで滑稽な成り行きを描いた芝居なのだ
が、思ってもいなかったことに、原発の暴発という人間の文明の異常な、とい
うか必然の不幸を暗示せざるを得ないものになった。
 結果は予選敗退だったが我々は悲観していない。僕の演劇仲間たちは肯定し
てくれた。その根拠は芝居としての完成度は高いけれども、この演劇祭の、大
きな仕込み費と大勢の参加者による地元の作品に評価が集まる観客投票による
選出方法に合わない作品創りだったからだという指摘があったからである。
 彼らはお世辞や慰めでは、こういうことは言わない人たちであることは確実
に信じられるのだと自己弁護する。