番外随想 顔の見える場所・小劇場
 延広真治『江戸落語』の一節に「盛時には各町内にあったといわれる寄席に
しても、互いの顔が見える身体空間、こじんまりとした交流空間こそが、落語
の土壌であった」と書かれている。
 まさにこれこそが僕の理想としての小劇場の論理の根幹だと思う。その代表
として、例えば劇団『シアター・ラグ・203 』の劇場「ラグリグラ劇場」や、
実験演劇集団『風蝕異人街』の「阿呆船」など、そういう劇場はたくさんある。