演目 DAIオクラホマSHOW
観劇日時/11.9.25. 13:00〜14:40
劇団名/オクラホマ×大小.ライブツアー
主催/オフィスキュー
劇場名/cube garden

作り上げられたお笑いの秀作
 藤尾仁志と河野真也の「オクラホマ」というコンビと、大下宗吾と小橋亜樹
という「大小コンビ」との年に1回のコラボレーションでいわゆる「お笑いコ
ント」。
 じゃ「お笑いコント」と「漫才」はどう違うのかというと、僕の定義では
「コント」は道具立てや衣装・小道具などを使った演劇のような短編お笑いで
あるのに対して「漫才」は、ほとんど素の人間だけで動きの少ないお笑い、
もっぱら話術で聞かせるお笑い、ということであろうか?
 しょせん「お笑い」だけれども、村松幹男さんが、「コント」について下手
な演劇よりも演技の上手いお笑いコントがありますという前号のコメントが記
憶にあったので観ることにした。
 確かにこのお笑いライブは面白かった。ドリンク一杯が付き物で、この500
円は確かに高額だけれども、そのほろ酔いも尿意も忘れてしまう1時間40分で
あった。
 二人ずつで演じたかと思うと、コンビを入れ替えてのコントとが次々と演じ
られるのだが、その度に登場人物が別人のごとく変容していて、これがさっき
のどの人物なのかが分からないくらいに変貌している。まずはそれに驚く。
4人で演じられているのが不思議なくらいの変幻自在なのだ。
 もう一つ面白いのは、ネタというのか演じられる物語が、まったくのナンセ
ンスというか意味がないのが多いけれども、その意味の無さがまた面白い。
 それと村松さんのいうように、演技力がしっかりとしていてナンセンスな話
なのに妙にリアィテイがあるのだ。だから観ていて違和感が全くないのだ。
 もう一つ面白かったのが南北朝鮮の話のネタだ。ふつう娯楽作品では、この
手のネタは御法度だろう。だが、彼らは果敢にもこのネタを披露する。テポド
ンとかさらに踏み込んで将軍様などの危ない話題を提供する。
 観客は大笑いで観ているのだが、かなり心配だ。だが彼らは寸前のところで
切り上げる。しかも話題は危ないのだがその根底には南北朝鮮の融和の願いが
あるから安心して観ていられるのだ。根底が暖かいのだから観客は笑ってその
危なさをやり過ごす、それは北の人たちも、おそらく共感してくれるのではな
いかと安心する。
 お笑いは好きだけれども、そうそういつもいつも見ているわけではない。ま
してやライブではおそらく初めてであろう。せいぜいTVで何となくみていた
だけだ。でも今日はほんとうに真剣に大笑いして楽しんだ。