演目 明日に向かって逃げろ!!〜山田わかの数奇な半生〜
観劇日時/11.8.27.
劇団名/札幌 新劇場
公演回数/創立50年記念公演第2弾
作/渋谷健一 演出/山根義昭 演出助手/吉田輝志子
舞台監督/山田英晴 装置/高田久男 照明/鈴木静悟
音響/西野輝明 衣装/岡本嚇子 
ヘアメイク/ビューテイサロン毛内 メイク/市川ゆきよ
小道具/齋藤誠治・徳田敬二 中国語指導/林氷螢
デザイン/齋藤友彦 制作/劇団新劇場
劇場名/札幌・東区 やまびこ座

女の一生、大河ドラマ
 明治の後期、貧農の娘、浅葉わか、女衒に騙され渡米して、八重と名乗る娼
婦となるが、日本人の新聞記者、立井信三郎の八重に愛する愛情によって救出
され、闇社会の追跡に逢いながら二人で命がけの逃走を続ける。
 これはその実録を元にした波乱万丈の、「逃げる」とは「未来へ向かう」と
いう信念の絵巻物である。
 「八重」こと「わか」は立井の救出が、自分の身体を求めていると誤解して
許さない。特に初めてサンパウロで昔、立井の父が世話をして成功した日本料
理屋に逃げ込んだとき、立井は借金の形に八重を娼婦とすることを承諾したこ
とが決定的となった。
 安全な教会の住人となった八重は謝罪する立井を許さなかったが、目の前で
謝りながら服毒自殺をした立井の心情を知って最後には許し、後年サンフラン
シスコに立派な墓を建てた。
 『劇団 新劇場』は、4・5年前までよく観ていたのだが、大作を粗製濫造
しているような気がするし、今日も主演の栗原聡美は大柄な身体で、ちょっと
鼻につく気取った演技で、あまり良い印象がなく、いつの間にか離れていた。
 今日は半ば義理的に観劇したのだが、栗原聡美はすっきりと臭みのない演技
で好感が持てた。
 次々と変化する映画のような舞台転換でいささかチープな感じもする舞台装
置だが、久しぶりに骨のしっかりとした大芝居を受け止めることが出来た。ま
た『新劇場』を観ようかなと思った。