演目 ヘリクツイレブン
観劇日時/11.7.3.
劇団名/yhs
脚本・演出/南参 舞台監督/高橋詳幸 
舞台美術/高村由紀子 照明/相馬寛之 音響/橋本一生
衣装/岩淵カヲリ・水上佳奈 小道具/青木玖璃子
制作/水戸もえみ・村山真希
劇場名/BLOCH

常套のコメディ
 町立志津山高校、夏休みの朝、空教室に集まったのは町職員による、にわか
仕立てのサッカー部員が10人。今日は町1番の大企業、安藤建設サッカー部と
の親善試合の日である。
 監督でゴールキーパーの課長(=南参)は作戦と称して、どういう風に負け
るのかというシナオリを書いてきた。つまり、作戦会議とは恥ずかしくない程
度に負ける方法なのだ。
 もちろん実際の力は安藤建設にはとうてい勝てっこない。だが始めに負けあ
りとはどういう事か? と一人の若者(=櫻井保英)が正義感を振り回す。
 もちろんほかのメンバーは、選挙とか公益事業とか、様々な事情があるから、
そこは本当に負けたように工作するのが大人の知恵だという理論、そしてその
論をさまざまな屁理屈で説得しようとする。
 若者はたとえ負けても正々堂々と勝負をするのが、本当の礼儀だと譲らない。
キックオフの時間は刻一刻と迫るのだが、お互いに譲らない。
 メンバーたちは、交互に説得に掛かる。そのうちにそれぞれのメンバーにも、
それぞれの蟠りがあって、その正義青年に同調するメンバーが増えていく。
 結果は、本気で先制点を叩き出して相手を本気にさせ、7対1でボロ負けす
る。だが皆は爽快だった。職員の一人と安藤建設の専務とは双子だったのだが、
その専務でさえ、本気で勝負したことが痛快だったのだと伝える。
 一人の役者が演じるこの双子(=能登英輔)が、交互に出演する場面とか、
発熱で欠場するメンバーの代わりに出てくる初老おやじ(=城島イケル)など、
いかにもコメディの常套をいくがそれはそれで面白い。
 その他の出演者、イシハラノリアキ・氏次啓・渡邉ヨシヒロ・深浦佑太・
福地美乃・山下カーリー・曽我夕子・岡今日子。