観劇日時/11.7.2. 劇団名/専門学校札幌ビジュアルアーツパフォーマンス学科 上演形態/夏公演 劇場名/札幌琴似コンカリーニョ
この専門学校のパフォーマンス学科、タレント・俳優・声優・ナレーター養 成の総合舞台専攻の各2年生が、合同で3つのグループに分かれて、例年の通 り夏の公演を行った。 各々のグループはそれぞれ、3つのチームに分かれて、それぞれが 「STORY]「HAJIKE」「HORRAR」の三つのジャンルの短編演劇 を上演する。だから全部で9編の作品が発表されることになるのだ。僕はその ことを詳しく知らずにとりあえず2日目の夜のAチームを観に行ったのだが驚 嘆した。 演目1は「STORY」で『ダイヤモンドリリー』。これは結婚に纏わる周 りの人たちの混乱を描いたもので、物語自体はそれほどではないのだが、その 表現方法が平凡じゃない。 物凄いというよりほかに形容の仕様がないほどのエネルギッシュな動きと発 声で、あっけにとられるほどに若者たちの力と情熱とが好ましく、それでいて 変なおもねりや媚びや崩しが無く、直線的な表現が爽やかだ。 演目2は「HAJIKE」の『おねがいキューピット』で、一人の若者の内 心を様々な欲望、たとえば睡眠欲・食欲・性欲、その上に海水浴(ヨク)やら ニューヨーク(ヨク)まで飛び出してきて、その化身が象徴的に表現するのだ が、センスが良く中々に見事だ。 そして演目3は「HORRAR」で『叔母ノ家』。叔母に偏愛された男の末 路が、滑稽に悲しく描写される。 ☆ これまでに観たこういう上演では、観客に媚びるような表現がよく見受けら れて、嫌悪さえ感じることがかなりあったのだが、今回それは全く見られなか った。 そしてもう一つ、前説や劇中でも大勢のエキストラと称する人たちが出演す るのだが、これは、いわゆるお笑い系の演技なのだが、これも小汚い客いじり や下品な表現はなく、お笑い演技なのだが、学生らしい上品で爽やかな舞台は とても好感が持てたのであった。 スタッフ・キャストは大勢なので省略します。