番外随想 大劇場の演劇
 僕にとっての演劇とは、役者の表情が見える位置での観劇が重要
であって、表情の分からない遥かな遠くから眺めてピンマイクを通
して台詞を聞くのなら、テレビか映画の方がよっぽど良いという思
いが強い。
 もちろん大きな舞台で夢見るようなお芝居を楽しむのも一つの魅
力だ。だがそこには高名な役者の高いギャラや膨大な制作諸経費な
どから当然、入場料も高い。それを承知であえて楽しむこともあり
だけれども、僕はそうは思わないだけだ。
 何年に一度か高い入場料を払って、夢を楽しむ場所としてはなか
なか良いかなとは思うけど、それ以上のものではない。
 だけど、最近観たある大劇場の舞台は、舞台装置や音響などに創
る側の思い入れが強烈に感じられて、やはり創り手次第なのかなと
思われた。
 オペラグラスを利用すると表情もよくわかり捨てたものではない。
唯一チケットの高いのが残念であった。