演目 熱い月
観劇日時/11.6.25.
公演形態/時代組劇場
劇団名/一世一代時代組
公演回数/第二段
演出/後藤一機 原案協力・作詞/義家弘介
脚本協力/深浦佑太 音響/青塚伸也 照明/藤田久美子
宣伝美術/太田真介
出演/後藤一機・渡邉宏行・小川眞樹・松村洋平・岩杉夏・
下山美里・高久絢斗・赤沼政文・谷口雄祐
劇場名/演劇専用小劇場BLOCH


安易な娯楽時代劇   
 ダメ男は会社では失敗ばかり、大事な契約の時間に遅れてライバ
ル会社に顧客を奪われ、長年の恋人の父親が倒れたときに仕事との
板挟みになって右往左往のあげく振られそうになる。それもこれも
大事なときに決断をしないからだ。
 ある日、絶望した男は呆然としていて電車に轢かれそうになった
とき、江戸時代にタイムスリップする。
 町は浪人で溢れ、飢えた彼らは徒党を組んで、強盗・略奪をして
仲間討ちも絶えない。
 男とその恋人は、ここでは孤児の兄妹になって浪人たちの餌食に
なろうとしている。それを助けてくれるのは、会社で彼の失態を救
ってくれた後輩であった。
 実は後輩の話によると、彼は決断力は弱いが、正直で失態を認め
て謝ったところを相手先に認められ、無事、契約が成立したという。
決断が出来ない男が救われるというのは、安易で甘い展開だ。
 江戸時代の、孤児の兄妹も後輩の男の浪人の活躍により無事に救
われる。
 このように、全編、ご都合主義の娯楽編だが、エネルギッシュな
殺陣の連続が何とも肉体的な魅力にあふれ見飽きないと思っていた
が、時間が経つにつれて、同じようなパターンが目立ち、仕舞には
やっぱり飽きてくるのだった。
 最近、どうもこのような浅い内容の、考えなくともいいような舞
台が多いような気がする。演劇の力が弱ったような感じが気になる。