演目 〜草を待つ犬 肉を乞う猿〜
観劇日時/11.5.14.
劇団名/演劇集合体マキニュム
上演回数/#13
原案・作/槇文彦・瀬川圭介・薄井寒太郎
構成・脚本・演出/槇文彦
音響効果/中井孝太郎 照明/山本友佳 舞台/瀬川圭介
制作/槇文彦・村瀬有香
劇場名/札幌・琴似 レッドベリースタジオ


一人の男の裏表?
 幼い頃から共同生活で育ったらしい二人の男(=瀬川圭介・薄井
寒太郎は)は、20歳を過ぎても、むさ苦しい狭い部屋で共同生活を
しながら音楽で世に出たいと思っている。
 才能がありそうで持てそうな男は守りで、見栄えの良くない不器
用そうな男は何故かリーダーシップをとっている。
 この二人の見た目とは実際の行動様式が違うあり方は、タイトル
の「草を待つ犬 肉を乞う猿」が表す、通常とは逆転している状況
の描写であろうか?イヤこの二人の男と見えているのは、実際には
一人の男の矛盾する裏表を表している一人の男のことではないのか?
 実は、彼らは中学生の時代から何故かマイナーな男が表面に出る
と受けが良いので二人の位置が逆転していたらしい。未だに貧しい
部屋で暮らす二人の関係は、見た目とは逆転している。
 ある日、宅配便で不思議な箱が送られてきた。中身は奇妙な軟体
物質である。そして彼らの挫折の出発点であった中学の同窓会の案
内状が来た。
 日常の上下関係にひそかに不満を抱いていたらしい才能がありそ
うで持てそうな男は、同窓会に自分が行くことを主張し、二人はお
互いに自分が行くと言い争っているその最中にキッチンから怪しい
煙が流れ出て、あの宅配便の中身は消えていたことが後で分かる。
 二人は何故か手をつなぐように同窓会へと出掛ける。それをじっ
と見つめる、変な宅配便で配達された奇妙な男(=槇文彦)の視線
……
 争いの最中にキッチンから怪しい煙が流れ出ても、一向に気にせ
ず争いを続けるのはとても不自然であり、もしかしてこれは特殊効
果の一種で、彼ら二人には感じられない何かを象徴する怪奇現象な
のかな?とは思うけれども、それにしてはもっと別の方法があると
思われる。この煙のお蔭で芝居に集中できなくなってしまった。