演目/ヨーン・ガブリエル・ボルクマン

観劇日時/11.1.22.
劇団名/北翔大学北翔舞台芸術
上演回数/第12回定期公演
作/ヘンリック・イプセン 訳/毛利三弥 演出/村松幹男
・協力
装置/福田恭一(FUKUDA舞台)
特殊効果/吉田ひでお(アーリオ工房)
照明/鈴木静悟(フリー)
勝見昭二(ステージプランニン/グKATUMI)
音響/五ノ井浩(ほりぞんとあーと)
服部正巳(stage consulting a conpany)
富井昭次(ジョーダウン)
ヘアメイク/藤原宏行・大野いつか(クープ・ドゥ・クニ)
衣装/芸術メディア学科服飾美術コース
・学生
舞台監督/佐々木茉莉 照明/石黒舞紗 音響/浅岡あゆみ
劇場名/北方学術情報センター ポルトホール

学生の力

 
この大学では年に2回の定期公演を行っている。おそらくこれは授業の単位であろう。村松幹男を始め森一生・冨田玲子・田光子・大信田静子・大林のり子・森井綾の7名の教員の力をいつも強烈に感じる。
 しかもいつも古典大作を上演して、「本物」に触れたいという思いを感じる。従って裏方も本職の指導を受けて限りなく本物を志向している。
 今日も出演者に多少のバラつきがあったが、何人かは非凡な演技力を見せていたのが印象に残っている。そしてそれは毎回に感じることなのだ。願わくば、それらの人材が大きく育ってくれることだ。
 先日観劇した仲代達哉主演の『ジョン・ガブリエルボルクマン』は4人だけの出演者だったので気が付かなかったが、今回の舞台はおそらくオリジナル通りに演じられたせいか、この芝居全体が、息子のエルハルトを中心に展開しているように見えたことで、これは意外であった。
エルハルトが、父・ヨーン、母・グンヒル、叔母・エルラたちの、エルハルトに寄せる挫折からの回復の期待を断ち切って、独立の旅に出立するラストシーンのエルハルトの強さがとても印象的であった。
ただこの役を女優が演じていたのが非常に幼く見えて、男優が足りなかったのであろうが、いささか違和感があったのが少々残念であった。
 どっしりした大作古典劇を大過なく演じ通した力は、きっと将来、演劇の道に進むと進まずとに限らず、大きな経験になるであろうと思われる。