演目 Bitter〜逸瞬の奇跡
観劇日時/10.9.25.
劇団名/PLANETES
作・演出/丹治誉喬 美術/藤紗希江 照明/鍵谷紀元
音響/石沢治郎 音響効果/丹治誉喬 映像/下出和也
大道具/米澤春花 宣伝美術/妹尾元気 写真/須山美鈴
制作/村山真希・桑谷麻理菜 企画/backGround Dogs
劇場名/札幌・西区 レッドベリースタジオ

若者たちの純愛騒動
小さなカフエのカウンター。若いマスター(=妹尾元気)と、静かで存在感の
薄いもう一人の女・ひとみ(星ひろみ)。さらに遅刻したアルバイト(=構香
織)。
開店準備の慌ただしい一時を、猛烈なスピードと独特の台詞回しで、いかにも
現代の若者らしい諧逆味あふれるやりとりが展開される。
やがてやはり若い男・哲郎(=恒本寛之)と女(=倉石和紀)の客が来る。
彼らは客というよりは友達感覚だ。マスターの人柄を慕って入り浸る若者たち
という雰囲気だ。
謎の女(=黒沼陽子)が常連になる。ちょっと意識のはずれた常連客の哲郎が
彼女に一目惚れしたらしい。一風変わった告白があったりして話は進む。
実は哲郎は、兄が裏組織に抹殺された恨みでそのボスを殺害した容疑で追われ
ていて、その謎の女は刑事であり刑事も哲郎もお互いにそれを知りながら接触
しようとしていたのだ。
マスターは、逮捕土壇場で反攻する哲郎に、「怨恨の連鎖はどこかで断ち切ら
なければならない」と説得する。哲郎はそのマスターの熱意で降伏する。
話はそこで終わったと思われた。あまり深い話じゃなく、平凡な人情話としか
思われないが、若者たちの突出した会話が面白いなとは思った。
ところがその後があった。明日がひとみとマスターの出会いの一年後なのだが、
実はひとみはその前にガンを煩って死んでいるのだ。つまりひとみは幽霊なの
だろう。
この純愛の話はあまりにも単純すぎて面白くない。ここまで引っ張る存在意義
が判らないのだ。