演目 間奏曲
観劇日時/10.8.28.
劇団名/ツルマキ・アーケストラ
公演回数/第1回公演 レッドベリースタジオ10周年記念
作/ジャン・ジロドゥ 潤色・演出/弦巻啓太
照明/相馬寛之 音響操作/荒澤郁美 
舞台美術/濱道俊介・吉原大貴・小松悟
衣装/大沼理子・脇愛美・トマト
小道具/若林大志・江崎未来・堤亜美・木幡美紗子
制作/長原桂・大原達也・島崎栞・劇団弦巻楽団
企画/飯塚優子
劇場名/シアターZOO

壮大な寓話劇
女学校の女教師(=江崎未来)と幽霊(=大沼理子)との、冥界と現世とのあ
わいの物語。そこに入り込む彼女を慕う若い男性(=若林大志)。これを縦糸
として、それをあり得ないこととして妨害する視学官(=濱道俊介)や町長
(=小松悟)たち。
これらのやりとりは、権力の横暴という現代的な社会構造の比喩になっている。
これを横糸として二つが重なって膨大で饒舌な一種の叙事詩劇が展開する。
これらは半端な板切れを打ちつけた壁と入り口の廃屋の中で演じられる。そし
て冒頭部は腰を屈めたような姿勢で、中央の直径2メートルほどの一段高い円
形舞台に載った俳優が長台詞を述べるという様式化した演技で演じられる。こ
の部分は退屈する。
全体は比喩の構造が判り易いが、余りにも膨大で饒舌なので、細部がすり抜け
るような感覚だ。観ている方も汗だくになる。もっと爽やかに刈り込めないの
かと思う。
ラストシーンで、幽霊に取り込まれたように失神する女教師が、愛する男の抱
擁によって生き返るのは、19世紀から20世紀への文明開化を予見していると一
見みえるが、実は現在それから百年経ってもちっとも変わらんじゃないかとい
う警告とも受け取れる。
間奏曲というのは現世と冥界との間の人間賛歌の謂いなのであろうか?その他
の出演者、多数。