演目 last of lost
観劇日時/10.8.13.
劇団名/劇活クラブ
公演形態/教文演劇フェスタブル2010参加作品
作/亀井健 脚色・演出/武田晋 照明部/上村範康
音響部/斉藤香 美術デザイン/池田ともゆき
演出助手/畠山由貴 舞台監督/坂本由希子 
文芸部/武田晋・清水友陽・亀井健・畠山ゆうき・嶋智子
美術部/池田ともゆき・山田マサル・小島達子
衣裳部/熊木梨沙 音楽製作部/ジョーダウン
制作部/畠山由貴・工藤舞子・宮崎安津乃・尾崎彩・
徳田麻美・山本将斗
制作統括/嶋智子    企画製作/劇活クラブ
協力/AND・劇団パーソンズ・オフイス ティンブル
専門学校札幌ビジュアルアーツ・劇団イナダ組
劇場名/札幌教育文化会館小ホール

絶望の物語なのか?
先ゆく道がなくなった人たちの物語。一応舞台の設定は、いわゆるシャッター
商店街の若者たちの話になっているが、それは必ずしも営業不振の商店街の話
だけではなく、その街に象徴される世の中すべての人の問題であろう。
そういう具体的な設定であるにも関わらず、話が抽象的で分かりづらい。どっ
ちつかずで中途半端な展開だから結局良く分からずに終わってしまう。
特に気になったのは舞台装置だ。これも中途半端な半抽象の構成作品だ。戯曲
に合わせたのだろうが、晦渋な戯曲を証明してしまったような感じだった。
とても印象に残ったのは、一人の若者が冒頭とラストに絶唱する、岡林信康の
『私たちの望むものは』である。しかも、原曲の後半部のいわば逆説的な詩句
を絶望的な歌唱で歌う。
それはそのまま聴くと、まるで先鋭的で革命的な歌詞であり、前半部の「私た
ちの望むものは 生きる苦しみではなく 〜生きる喜びなのだ 〜あなたを殺
すことではなく 〜あなたと生きることなのだ」という語句に対し、後半は
「〜生きる喜びではなく 〜生きる苦しみなのだ 〜あなたと生きることでは
なく 〜あなたを殺すことなのだ」である。
これがこの芝居の提示なのか? (〜は省略部)