演目 ペール・ギュント
観劇日時/10.8.7.
劇団名/TPS
公演回数/第30回公演
原作/ヘンリック・イプセン 構成・演出/斎藤歩
照明プラン/熊倉英記 照明オペレーター/矢口友理
舞台スタッフ/TPS劇団員
美術協力/ステージアンサンブル
宣伝美術/若林瑞沙 制作/阿部雅子・横山勝俊
ディレクター/斎藤歩 プロデューサー/平田修二
劇場名/札幌市・東区・サンピアザ劇場

壮大な叙事詩
この戯曲が、「上演されないことを目的に書かれた」といっても上演した以上
は普通の舞台作品として観ることになる。
よく言われるようにこの戯曲はイプセンの自叙伝的なストーリィをもっている
のだが、確かに何かを求めて流浪する姿はそうとも感じられる。
歳をとるごとに役者が変わるのも、彼の一貫性の薄い、揺蕩う人物像を表して
いるともいえる。
大勢の登場人物が、様々な脇の人物に扮し、それが周囲の人物たちの混沌をう
まく表現している。
さて、このペールギュントという人物の、どこが魅力で何が欠点なのかはなか
なか見えてこないのがいささか焦慮感に捕らわれる。
壮大な叙事詩なのだが、わりと劇的な展開がないのは作品の成り立ちからいっ
て当然なのかもしれない。
劇としてよりも、ペールギュントの自分自身の存在価値を求めて放浪する人間
の思いを感じる一遍であった。

出演者、木村洋次・佐藤健一・鎌内聡・宮田圭子・林千賀子・高子未来・
伊佐治友美子・齋藤由衣(以上TPS)

茂木聡(TPS研修生)

清水友陽・すがの公・橋口幸絵(以上客演)

高野大吾・高橋正樹・田中春雄・藤田悟・品田実穂・飛世早哉香・
中塚有里(以上オーデション参加)

(チェロ)土田英順
(ソプラノ)後藤ちしを