演目 卑弥呼
観劇日時/10.7.31.
劇団名/劇団 I'M
公演形態/深川公演実行委員会
脚本・演出・作曲/みきこうわ
演出補佐/奥山綾子 編曲・音楽アドバイザー/Nori
音楽・編曲/モリタタケフミ・中村大輔 
照明/鵜飼啓三・大西達也 音響/中塚伸一・草島沙織
衣裳/吉田優 映像/石黒翔 舞台監督/奥山茂
劇場名/深川市文化交流ホール「み☆らい」

危機管理のミユージカル
女王・卑弥呼(=奥山綾子)が治める古代・邪馬台国は、隣の超大国・魏国が
属国としての開放を迫ってくる。大事なときに身内が対応を巡って内輪争いに
余念がない。
卑弥呼の弟・スサノオ(=野島大源)と、その弟・月読命(=三浦勇太)が、
卑弥呼を軸に三すくみの状態である。卑弥呼の娘・台与姫・(=小林由佳)
は、国を救うために魏国への人質までを覚悟する。
妖艶な女・宇須女(=坪田知紗)は月読命の反逆が露になると、突然まとわり
付く。
民衆が恐怖し困惑する危機管理対応の真最中に、そういう単純な権力闘争を続
ける人たちの群像は、まるで現代日本の現実そのものだが、歌唱の歯切れが悪
くて意味が不明な部分が多く展開の理由が分らなかったりして苛つく。さらに
ダンスはエネルギッシュに休みなく動くのだが、常に動いているので無駄な動
きが多すぎて観ているほうが疲れる。
危機を救うのは日蝕だ。ご都合主義ともいえるが、卑弥呼はその時を知ってい
たという超能力があったともいえる。そういう神秘的な存在だったのかもしれ
ない。あるいは弱者の恐怖と困惑を神は知っていたともいえるかもしれない。
だが、やはりこの危急を救うのは人間の知恵と協力でありたかった。これでは
単なる偶然でしかなく、はぐらかされてしまうのだ。
この上演は、札幌をはじめ仙台市、日高町、岩見沢市それに地元・深川からも
8人の参加者がダンサーとして踊り、コーラスを演奏して、出演者総計25人と
いう大舞台である。