演目 シャッター通り商店街
観劇日時/10.7.24.
劇団名/秋田雨雀・土方与志 記念青年劇場
作/高橋正圀 演出/松波喬介 美術/石井強司
照明/横田元一郎 音響効果/石井隆 衣裳/宮岡増枝
宣伝美術/コガワミチヒロ 舞台監督/荒宏哉
製作助手/大屋寿朗 製作助手/川田結子 
制作/福島明夫
劇場名/旭川公会堂

現在日本の現実風景
シャッター通りと化したある地方都市の商店街。そこへ放浪旅から帰郷した青
年・辰次(=中川為久朗)を巡る物語。
彼はインドに長く滞在して本場のインドカレーの技術を習得し、おまけに伴侶
・萌(=大月ひろ美)までを得て、意気揚々と父親(=青木力弥)の経営する
喫茶店『すずらん』へと帰って来る。
町内商店街のオバサンたち(=高安美子・藤木久美子)は、若い人が来たので
何とか成功するようにあの手この手で協力しようとする。
5`離れたビッグスーパーに対抗して近所に別のビッグスーパーを誘致しよう
と努力する商店会長(=葛西和雄)と、地元を再生させようと意気込むオバサ
ンたちとの確執。
独立家屋での営業という個性に拘る辰次と、それでは商売にならないとビッグ
スーパーでの出店を主張する萌との確執。
それらが輻輳して混迷する衰退商店街の人たち、流れに任せるようにじっと見
守る父親、市役所勤務で古臭いアマチュア演劇に全力投球の辰次の兄・寅太
(=吉村直)は、不器用ながら仕事上、なにくれと協力を惜しまない。
辰次の親友の農夫(=奥原義之)、新参者の協力者(=寺本佳世)、小学校教
師(=浦吉ゆか)、廃業する帽子職人(=森山司)、ネット販売を目論む帽子
職人として弟子入りする若者(=船津基)、陰に陽に協力する信金職員(=佐
藤尚子)たち。
かすかな曙光を感じさせて、現代社会の現実を描く社会派の2時間半。上質の
TVドラマのような舞台であり、笑いと涙のドタバタ騒動は客席の善男善女の笑いと涙を誘っていたのであった。