演目 嵐の真ん中で
観劇日時/10.7.3.
劇団名/演劇公社ライトマン
公演形態/シアターZOO演劇祭「ZOO10」参加作品
作・演出/重堂元樹 制作/五十嵐玲美 音響/畑山慶太
振付・ダンス指導・衣裳製作/藤谷真由美
劇中歌作曲/ラバ 助っ人/武田のぞみ
劇場名/札幌・中央区・シアターZOO

過激・単純な政治風刺劇
小さな地方都市、西地区は高級住宅街で東地区は低所得者の下町。ちょうど中
間にあるフアミリーレストラン。恒例の市をあげての祭りが明日から行われる。
藤沢(=重堂元樹)は、東西融和のためと、旧い伝統とは
違う新しい祭りを企画するとして、過激にも明日ここを休憩所にする市長を毒
殺する計画を立て、ホームレスの男(=フレンチ)や店長(=田村嘉規)を巻
き込もうとする。
祭りを見学にきたと称する他郷の男・堤(=中島麻載)は、客の食べかけの皿
に次々と怪しい薬を振りかける。堤は暗殺計画の男の打ち合わせを知らぬふり
をして聞いていた。
解毒剤の取り扱いを巡って、藤沢と堤との騙しあいが繰り広げられる。結局、
怪しい薬はただの下剤であり、その男はその一部始終を携帯で中継していて、
騒ぎを楽しんでいたのだ。暗殺男の毒も、実はこの中継男からネットで買った
ただの下剤だった。
念のために、暗殺男がチャイナ・マフイアから買って隠し持っていたピストル
も弾丸の代わりに光線しか出ない玩具だったのだ。暗殺・軽率男は二重に騙さ
れていたのだ。
平和が甦り明日の祭りの踊りの練習を始める一同。荒唐無稽の大騒ぎの顛末だ
が、一種の政治風刺の娯楽劇として現実の政治状況を当てこすっている痛快さ
が感じられるけれどもいささか浅すぎる。 射る矢は鈍いと言わざるを得ない
のだ。
その他の出演者、長麻美・桧谷真由美・小林由香・小川征子・藤野羽衣子。