今月は気になる舞台が多かった。突出していなくても気になる舞台はある。 その中から今月は次の作品を挙げる。 ☆雨が降る 劇団しろちゃん 6月4日 北大キャンパス内S棟s1教室 昭和初期の時代感覚の強い、思想劇的エンターテインメントとして面白い作品 である。 ☆紅玉 シアター・ラグ・203 6月4日 ラグリグラ劇場 この舞台もエンターテインメントだが、こういうミステリィにありがちな微 細な部分の整合性の錯誤がまったく感じられないことを評価できる作品であ った。 ☆この青い空の下で 劇団 青い空 6月5日 マリンホール 最近珍しい本格的な啓蒙劇。1幕と2幕の構成がきちんと表現されていて直裁 的な訴求力が強い。 ☆天才バカボンのパパなのだ 劇団ひまわり札幌養成所 6月20日 養成所スタジオ 養成所の生徒だから完成度の期待はしていなかったが、魅せられた。 やはり良い戯曲はきちんと演じると良い舞台ができるという見本であろう。 ただしこの舞台は正攻法ではない。若さを素直に打ち出したことが逆にある世 界を垣間見せたような舞台を創った演出の手腕であろうか。