演目 立派なお金の使い方
観劇日時/10.6.26.
劇団名/Massive tsp
上演形態/ZOO10 参加公演
脚本・演出/すだけいた 照明/相馬寛之・稲田佳
舞台美術/FUKIDA舞台 イラスト/福原明子
スタッフ/井上奈美・村山真希・森舞子
フライヤー・パンフレットデザイン/岩崎彩香
プロデューサー/弦巻啓太
制作/シアターZOO演劇祭実行委員会
劇場名/札幌・中央区 シアターZOO

ばら撒き政治の直裁的マンガ表現
ある小さな町の新年度予算策定に当たって、町役場の諸施設の会議室が使えな
くなったという理由で、急遽フアミレスでその会議をやることになった。
町長(=丸山將)、予算作成の係長(=長沼知志)、そして庶務の女の子(=
大石菜緒美)と税務・財政係(=品田実穂)、監査役の若い都会の会計事務所
職員である担当者(=西垣貴将)の5人だけという取り合わせもいい加減だが、
これはリアリズムじゃない。
親分肌の町長は現金をバッグに入れて、町民のためにどんどん現金を配ること
が、真の町民の声を聞く町民のための政治だと信じ、フアミレスに来る町民た
ちの要求に応じて現金をばら撒こうとする。
当然、監査する都会の若い担当者は反発する。これは市民の声を聞くという免
疫符を背に、バラ撒き政治を確信している政治家に対する揶揄的物語として時
期を得ているともいえるが、あまりにも直裁的すぎていささか白ける。
これでは単なる風刺マンガであって演劇としての深みがない。マンガが悪いわ
けじゃないが、この舞台は批評精神はあるけれども単純すぎる。こういう現実
をどういう風に捻って表現するかが演劇として問われるのだろう。
それにこれでは、この共通のテーマである舞台がフアミレスであるというコン
セプトが生かされていない。この話の展開では、場所はどこでも良いというこ
とになってしまう。

その他、ウエイトレス=玉置陽香。教師=山ア亜莉紗。