5月

演目 したい女、したくない男
観劇日時/10.5.1.
上演形態/「劇をつくるということ」プロジェクト
脚本/町田誠也 演出/イナダ 演技演出/納谷真大
脚本サポート/中橋嘉孝 照明/高橋正和 音響/大江芳樹
制作/河端みゆき・斎藤ちず 役者係/大沼理子・知北梨紗
衣裳/泉・生水絵理 小道具係/笠原香苗・児玉由貴
おやつ係/瀬口真希・小原彩
劇場名/札幌・西区・コンカリーニョ

結婚願望とその障害について
様々な個性と事情を持った9人の女(=知北梨紗・上總真奈・大沼理子・生水
絵理・児玉由貴・瀬口真希・笠原香苗・小原彩・泉)。彼女らはいろんな言い
訳をつけながら、あるいは法外な条件をつけながらも結局結婚願望があるのだ。
つまり結婚したい女たちである。
男(=町田誠也)は同居する恋人(=知北梨紗)が居るが小説家になる夢があ
って貧乏暮らしだ。彼女は、彼を信じて待っているが我慢が切れて結婚相談所
に登録する。
一方、男はアルバイトでその相談所でサクラの登録男子をやって大勢の登録女
子の相手を勤めることになる。
その女の子たちの物語が主筋であり、その相談所の所長(=中橋嘉孝)と彼女
たちやサクラの男との駆け引きがユーモラスに描かれる。だが当然この恋人の
二人は、いずれこの相談所でお互いに不利な条件下で衝突することは予測され、
当然そのような展開になる。
それはそれで巧く話を絡ませればシチュエーション・コメディとして面白くな
ったんであろうが、話は徐々にハッピィエンドに収斂してゆく。そうなると予
定調和になって衝撃がすっかり薄くなってしまう。せっかく女たちの個性が巧
く表現されていたのに惜しい終わり方であった。
赤いパイプいすを10個並べただけの簡素な舞台で創った技術と、参加者が女9
人と男2人だけという悪条件で創ったアイデァは秀逸だったのだが……