観劇日時/10.4.24.
劇団名/弦巻楽団
公演回数/#11
作・演出/弦巻啓太 照明/清水洋和 音響協力/大江芳樹
音響操作/山崎亜莉紗 舞台美術/上田知 衣裳/佐々木青
演出部/高山龍・大原達也・児玉由貴・柳谷美香・森田亜樹
制作/佐藤春陽菜 制作協力/石上エリ・大門奈央子
宣伝美術/藤原柚
劇場名/シアターZOO
コミユニティ存続の悲劇
ある過疎の村で6年前に男子高校生・勇(亡霊=高山龍)の事故死があったの
だが、納得できなかったその母親・陽子(=藤谷真由美)は、最近になって息
子の死が実は殺人だったのではないかという重大な疑惑の証拠を手に入れる。
夫(=松橋勝巳)はもちろん、夫の勤務する食品製造会社の社長(=齊藤雅彰)、
駐在の巡査(=楽太郎)、友人か親戚か分らないけど中年の女性(=庄本緑子・
石川藍)、逃げるようにこの村を去った勇の担任教師(=原田充子)、そして
社長の一人娘で勇の憧れだった小夜(=塚本智沙)たちは、必死になって「疑
惑はない、単なる自損事故だ」と通そうとする。
だんだん行き場のなくなった陽子は、駐在を監禁し銃を奪って狂気となり、次々
と彼ら彼女らを射殺していく。
被害者たちは、この閉じられた過疎の村の平穏を守りたい一心で説得しようと
するのだが、逆に陽子には勇の死の原因を知ることこそが唯一の真実だったの
だ。
何だかこの話、かの横溝正史の諸作品に似ていないか? 金田一耕助は出てこ
ないけど……しがらみの中で暴発する狂気のエネルギーが凄まじい。