演目/くれよん

観劇日時/10.2.27.
公演形態/公共ホール現代ダンス活性化支援事業
出演/山田うん・伊藤知奈美・川合ロン・城俊彦・田畑真希
劇場名/深川市文化交流ホール「み・らい」

極限肉体の不思議

 
クレヨンのように5人のダンサーがそれぞれの色合いを主張しながら鍛え上げられた肉体の個性を出して、そしてその個性を充分に踏まえた上で、もう一つさらに高次元の融合統一された肉体の極限の動きを魅せる。
それはまさにクレヨンのように単純だが力強い表現であるが、そこには僕の期待する物語性はない。ただひたすら幻想的に人間離れのした不思議な肉体の動くシーンを展開するのだ。
これはいわゆるコンテンポラリィ・ダンスの範疇にはいるのだろうが、僕の感じているコンテンポラリィ・ダンスは、演者の意識下の物語が立ち上がってくるのが魅力なのだが、
別にそれが絶対ではないのは当然であろう。むしろ物語を感じさせない一時間は、ちっとも飽きさせないのであった。
ただちょっと残念だったのは、僕は所用があって遅れたために、冒頭で演じられた地元の幼稚園の幼児たちの群舞が観られなかったことだった。

 2月の舞台から 

 歸國 
かなり悲壮感が強いけれど、やっぱり訴求力が大きい。表現者たちの力量であろうか。

 ポストマンたちの長い夜 
これが郵政民営化とどこで繋がるのかわからないけど、むしろそれは脇へ除けておいたのかもしれないが、父親と娘たちの話としては暖かく印象深い。