演目/時の旅人

観劇日時/10.2.21.
劇団名/拓殖大学短期大学
脚本・音楽監督・総監督/土門裕之教授
演出/山田克己准教授 
演出補・作全体指導/福沢良一客員教授
その他、教授・講師・卒業生など9名のスタッフ
学生スタッフ/67名
出演者/学生48名と福沢良一
劇場名/深川市文化交流ホール「み☆らい」

形骸化した舞台

 
26年目を迎えた拓大ミユージカルも、形はずいぶん上手くなった。そつなく展開する舞台はスムーズである。しかし肝心の舞台を創るという情熱が薄くなったような気がして白けるのだ。
考えるに理由は二つあって、一つはこの舞台創りが授業の単位になっているということであろう。そのために義務化しているのではないかと思われる。無償の行為としてやるのではなく単位取得という結果を求めるために、どうしても義務的な作業とならざるを得ないのではないのか。
別の大学の学生とその話をしたら、「自分はこの舞台を観てはいないけども、自分だったらたった2単位の成績のために半年もそのミユージカル創りに全力を挙げるなんて効率の悪い作業をしようとは思わない、やはり彼等はやるべくしてやったのではないか。」という意見であった。
すると僕の印象は勝手な悪意の深読みなのであろうか? そうであれば話は別だが、どうしても義務的な行為としか見えないのはどうしてであろうか?
なにせ総計115人という大人数の学生が参加している一大イベントなのだ、その真意を知りたい。
そしてもう一つは、いつも言っているのであるが、自分たちで脚本を創らないことである。毎年いつも教授が書いた脚本を使っている。なぜ学生たちが自分たちで書かないのか? 下手でもいいから集団制作でもいいから、彼ら自身が自主制作することが出発点であることが一番大切なのだ。それがないからどうしても他人本位に感じてしまうのだ。