演目/まきの家のヒーロー
観劇日時/10.2.20.
劇団名/LAUGH LAMP
公演形態/2010冬の会
作/岩田雄二 演出/LAUGH LAMP
美術/渡部淳一 照明/清水洋和 音響/五十嵐雅生
舞台監督/上田知 衣裳/佐藤宏美
制作/大門奈央子・平間夕貴・谷口絵里子
演出助手/石川藍 その他多数
劇場名/cube garden
古き良き人情物語
田舎で陶芸の工房を営んでいた父親・春郎(=齊藤雅彰)は、若い頃(=岩田雄二)、妻(=堤沙織)と幼い息子・まこと(=久礼悠介)と三人の睦まじい平和な家族であった。
一人息子・まことは成人(=高橋隆太)して売れない小劇団の売れない役者に成った。ある時TVドラマのロケ地として、今や自分の物になったその故郷の陶芸工房が使われることになる。
あわ良くば交換条件として、自分もそのドラマに出演させてもらいたいと考えた売れない役者である息子・まことは、両親が亡くなり今は父の弟子達が自由に使っていて、長い間、足を踏み入れることのなかったその工房へ乗り込む。話はそこから始まる。
弟子のワタナベ(=ツルオカ)は関心なさそうな顔で、自己中心的な態度をとる。ぷーさん(=ふるさとたかし)はTVと聞いて舞い上がる。
そのほかにもタカシ(=久礼悠介・二役)という幼子を連れた正体不明の怪しい男・オダギリ(=氏次啓)や父親の親友・ひょんさん(=城島イケル)などがいる。
そこへTVの監督(=弦巻啓太)と制作の松川(=山崎大昇)が乗り込んでくる。そしてオダギリの債権者・猿渡(=小野優)も偶然に乗り込みドタバタの大騒動が始まる。
結局は、父親と一人息子との秘めたる愛情物語なのだが、最後に去る監督が、今後役者として配役するときにはまことに連絡するからと、さりげなく告げて行く。特に新しい物語も表現もなく、素朴な古き良き人情物語でしかない。
気になったことはロケ隊の扱い方だが、一般の人にはリアリティのない誇張した表現でも良いのかもしれないが、あまりにもマンガチックなのが空々しい。
もう一つは、人物の出入りの重要な場面にトイレを使いすぎることだ。飲食と排泄と性は生きること生きていることの基本ではあるが、安易に使いすぎるのもどうかと思われる。
しかも水洗の音を盛大に響かせたり、一人が入って居るのに別の一人が待っていたら汚水が詰まるなどというギャグは、スマートじゃなく苦し紛れの感が強い。