演目/はじめての食卓

観劇日時/10.1.11.
劇団名/武藤晃子プロデュース「むーとぴあ」
公演回数/vol2
脚本/わかぎゑふ 演出/若月理代
照明/泉次雄 音響/小笠原康雅 衣装/福田千亜紀
舞台監督/筒井昭善 制作/橋本香苗 
プロデューサー/武藤晃子
企画・製作/むーとぴあ
劇場名/下北沢・駅前劇場

女の一生

 
東京の大家族、といっても両親と妹のいる息子(=岡田達也)のところへ関西からお嫁さん(=武藤晃子)が来る。
 話はそこから始まって何年か毎の一家の喜怒哀楽のエピソードが積み重ねられる。そしてこの若夫婦もついに孫が小学生になり、息子一家が海外赴任でとうとう二人っきりになるところで終わる。
 亡くなった爺さん婆さんが、孫姉弟の役で再登場すると、客席は大いに沸く。役者が二役を演じる面白さと同時に、家族の系譜が繋がっていることを象徴していて良い演出であると思う。
人間の一生なんて何代かの人生の繰り返しだよとでも言いたげな、考えようによってはちょっと虚無的にもなり兼ねない話の運びでもある。
夫の浮気や、風変わりな娘の心配、母親の急死、アラフオーの妹の恋愛など、たくさんのエピソードが、最初に彼女が嫁入りの日に持ち込んだ大皿を中心に描かれる。
 深い意味はないが、さっぱりと笑いと涙の一代記であった。120人ほどの小さな劇場だが、4,500円の入場料で連日満員の盛況である。
確かにハートウオームな大河ドラマではあり、一刻を楽しむにはそれなりに感情移入できるだろうと思われるが、それ以上のものではないであろう。
 「むーとぴあ」というのは、武藤晃子が好きな作家・演出家・役者やスタッフを集めて芝居を創るユニットだそうだ。「むとう」と「ゆーとぴあ」の混合造語であろう。